治療実例のご紹介
「鍼灸」は肩こりや腰痛などの痛みにのみ効果があるように思われていますが、以下のさまざまな症例に効果があります。 症例別に治療実例をご紹介いたします。
治療実例１ 慢性的な下痢・消化器疾患
- 慢性的な下痢 男性 60代
- ・1年前より軟便または下痢が続く。ひどい時は水様性の下痢。 毎日午前中に集中して下痢になる。
- ・夜は一度寝る前に少し軟らかい便が出る。 自営業のため、通勤はないが、通勤があったら仕事に行けないとの事。 精密検査を受けるように伝えるが、本人は病院に行きたくないから、鍼灸院に来たとの事。 毎日酒を飲み続け、飲みすぎると下痢が強くなる気がすると言う。やや太り気味で腹部、背部はベタっと発汗している。
- 舌診・・・苔がべっとりと多く胖大（大きく腫れている）
- 初診 灸を中心に治療。
- ２診 午前中便は軟らかいが１度トイレに行ったきりだと喜ぶ。
- ３診 同様。舌の苔はやや薄くなる。
- ４診 やはり軟便。午前１度のみ。本人はもうすっかり治ったと言うが、様子を見たいので 来週も来院するように言うが、もう平気だと言う。 では、病院で腸の検査をしてほしいと伝えるが、「ハイ、ハイ」と言っているが行く気はなさそうで ある。
- 半年後 ぎっくり腰で来院。下痢の事を聞いてみるが、朝少し軟らかいが、下痢にならないとの事、 検査は行っていない。
治療実例２ 胃痛、胸やけ
- 肩凝り 胃痛 胸やけ 男性 50代 会社員
- ・5年前より体調の変化があり、不調を感じる。なんとなく気力、体力の不足を感じる。
- ・飲み過ぎ、食べ過ぎを仕事上のつきあいで繰り返している。
- ・２～３年前（定かでない）徐々に胃痛が気になり、それと共に肩凝りも気になるようになる。
- ・胃カメラの検査を受け胃炎（ただれ）を指摘される。胃薬を処方される。
- ・ここ半年は飲酒はかなり控え、食事も気を付けているが胃痛が強くなる。
- ・胃痛が強くなると、肩凝りも増す感じがある。
- 舌診・・・胖大(はんだい)（かなり大きい）舌辺は無苔だが中央に白苔がべったり着いている。 日によって苔が黄色味が出てくる。
- 脈診・・・沈実(ちんじつ)（沈んでいて力がある）
- 経穴・・・中かん、三里、脾兪、胃兪、肝兪、 他
- 通常は１番針程度の細目の針を使用するがこの患者さんは主に５番針を使用。
- 舌診・・・
- ３診 灸を中心に治療。
- １０診 ここまで同じような治療を繰り返すも多少良い気がするが、やはり胃痛、肩凝りが気になる。
- １１診 脾兪(ひゆ)～三焦兪(さんしょうゆ) 周辺に多壮灸(たそうきゅう)をする。
- １５診 朝から胃の不快感がしていたのが気にならなくなる。本人は灸治療をしてから調子が良いと言っている。
- １６診 胸やけも気にならない。痛みも良好。
- １７診 眼が疲れると肩凝りも出るが普段は気にならない。
- 黄苔が付着している患者さんには灸を使用することはあまりしないのですが、効果が上がらないので、思い切って灸に切り替えました。
- この患者さんは灸治療に切り替えてから急激に良くなった例です。
- 舌も白～やや黄苔の厚いものがべったりと付着していたが、きれいに取れています。
- 胖大(はんだい)はあまり、変化していません。
- 現在は２週～３週間に１度来院して体調を整えています。
治療実例３ 口内炎
- 口内炎 女性 47歳 自営業
- １０年以上前から口内炎が出来やすい。自営業の仕事と子育ての両立で睡眠不足が続く。
- 疲労を自覚すると口内炎が一個か二個出来ていた。
- 昨年から治ってはすぐ出来る様になる。最近は一度に何個も出来てしまう。
- 血液検査では異常無し。
- 舌診・・・白苔厚
- 脈診・・・沈
- 腹診・・・腹鳴が強い 腹部全体の張り
- １診 鼻炎で来院されている方からの紹介で鍼灸治療を初めて受ける。口の中に鍼をされると思っていたらしく非常に緊張している。本人の自覚以上に身体の状態が良くないので腰を据えてじっくり治療する様に説明。
- １０日～２週間置きに治療
- ９診 今月は口内炎が一つしか出来てなく以前に比べれば楽だが一つでもあると辛いとの事。
- １２診 ここ数日仕事と家庭内でも負担が以前より多く疲労とストレスを感じる。口内炎も出来始める。
- ２３診 毎年夏バテが強く感じる季節だが今年は体調が良いとの事。口内炎も前回治ってからは出来ていない。
- 本人の希望により治療は継続してる
- 現在は寝不足や食事の時間が乱れなけば良好を維持出来ている。